参考書の内容
“解法の探究・確率”は大数(大学への数学)でお馴染みの東京出版が発刊してる「確率」の分野別問題集です.
“確率”というのは国公立・私立,また文系・理系問わず大学入試で少しでも数学を使用する人は避けては通れない数学の分野の1つです.
また,様々な分野との複合問題を作りやすいという特性上,受験本番で出題される”確率”の問題は,数学Aで学習したものとは問題の質が異なることもよくある話です.
例えば,2020年 大阪大学(理系)第2問を見てみましょう.
この問題も出題自体は”確率”の内容ですが, 解くにあたっては「複素数」や「極限」の知識の理解が必須になります.しかし,分野を跨いだ確率の問題がまとめられている問題集はそんなに多くはなく,大半は学年別で区切って問題を掲載するので(数学IA,IIBなど),必然的に複合問題への対策は手薄になりがりです.
この“解法の探究・確率”はそんな手薄になりがちな,受験レベルの確率を得点源にしたい人必読の1冊になっています.
また,確率は高校数学の様々な分野を跨いで問題が出題されるので,文理問わず苦手意識を持つ受験生は少なくありません.
逆転の発想をすれば,確率を仕上げることは合格に近づくことでもあります.
“解法の探究・確率”は分野が融合された問題への対処法を学ぶことができる一冊になっている
その分レベルはすごく高いけどね…とほほ…
問題構成
問題の構成は次のようになっています.
問題数に関しては
- 原則編:92題
- 演習編:60題
- 発展編:32題
となっており,かなり厳選された問題が184問掲載されています.
解説に関しては
こんな感じで, ほぼ(というか完全一致で)大学への数学と解説の書き方が一緒なので,普段読み慣れている人にはお馴染みですよね.
非常に洗礼された簡潔な解答なので,問題レベルと合わせるとある程度の学力・理解度を要します.
※ちょびっと補足
また,同程度の難問を載せている問題集として”やさしい理系数学”や”ハイレベル理系数学”などもあります. 分野別に特化する時間がなく,多分野もまとめて演習を行いたい場合(特に受験期秋以降)は使用する参考書の選定を間違えないようにしてください.
問題のレベルと使用推奨レベル
では,この参考書の問題レベルと推奨レベルを独断ですが書いておきます.
問題のレベル
地方医学部,難関大学レベルの問題や,早慶理科大など癖が強めな問題を出す私大の問題がゴロゴロ転がっています.偏差値が〜58あたりの大学(静岡,新潟,広島,岡山,埼玉など)を志望する人にはオーバーワークの可能性があります.
逆にその辺りの人は“合格る確率”や“ハッと目覚める確率”なんかをオススメします.
使用方法はお任せしますが,”演習”として使ったり,”定石の確認”として使ったりもできますね.
とにかく多くの考え方に触れて、確率の問題で必要な考え方(場合分けや漸化式など)を自分のものにしていくことが大切です.
推奨レベル
推奨レベルは次の通りです.
- 数学大好き,偏差値高々マン(河合全統で66以上)
- 東大・京大の理系志望(京大特色入試の基礎としても使用可)
- 東北,九州,名古屋大学の医学部・理学部(数学科)志望で数学は8割5分以上狙い
- 地方国公立医学部のうち,医学部だけ別問題が出題される大学を志望する人
- 数学好きな暇人
- 難関大・医学部志望の高1,2年
です. 受験生の使用としては,数Ⅲまでの内容をキチンと理解していて,標準問題は解けることが前提での使用になるので,かなりレベルが高いと思っておいてください.
“じっくり考えて問題を解く”ことができる人,つまり数学についての理解を深めたい人には特にオススメです.
ただ,高1,2年で難しい問題に憧れを持つ人もいると思いますので,怖いもの見たさに買ってみるのも,勉強の指針を定めてく上では必要なことだと思いませので迷わず購入してみるのもアリかと思います.
- 問題のレベルはかな〜り高い
- 最難関大学志望者が時間をかけて使う本
- 背伸びをすると時間の浪費で終わる
・時間がないなら周回ではなく,苦手な問題を掻い摘んで繰り返し解く
・時間があるなら何周も繰り返し!
時期に合わせて使い方を工夫しましょう.
あせて読みたい参考書・問題集
・マスターオブ場合の数(東京出版)
・ハッと目覚める確率(東京出版)
・標準問題精講(場合の数・確率)
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