対数の底の変換公式の証明:指数の形に戻して両辺の対数をとる

数学2B指数関数・対数関数公式の成立 更新
目次

底の変換公式

a, b, ca,\ b,\ c は正の数で、a≠1a\neq 1、c≠1c\neq 1 とする。このとき

log⁡ab=log⁡cblog⁡ca \log_a b=\frac{\log_c b}{\log_c a}

この記事の要点

  • x=log⁡abx=\log_a b とおくと、対数の定義から ax=ba^x=b という指数の式に戻せる
  • 両辺の底 cc の対数をとると、xlog⁡ca=log⁡cbx\log_c a=\log_c b となり、割り算で公式になる
  • 底をそろえると計算できる対数が増え、1log⁡ab=log⁡ba\dfrac{1}{\log_a b}=\log_b a という逆向きの使い方もできる

log⁡48\log_4 8 のように底と真数がそろっていない対数は、そのままでは計算しにくい形です。底の変換公式を使うと、好きな底にそろえて計算できます。この記事では、対数の定義に戻って公式を証明し、そのあと基本の例題と発展的な使い方を紹介します。

底の変換公式は何を言っているか

log⁡ab\log_a b は「aa を何乗すると bb になるか」を表す数です。底の変換公式は、底 aa の対数を、別の底 cc の対数の割り算で表せる ことを言っています。

たとえば c=2c=2 にそろえると、log⁡48=log⁡28log⁡24=32\log_4 8=\dfrac{\log_2 8}{\log_2 4}=\dfrac{3}{2} と計算できます。

底の変換公式の証明

1. 対数を指数の形に戻す

x=log⁡abx=\log_a b とおきます。対数の定義から

ax=b a^x=b

2. 両辺の底 cc の対数をとる

両辺は正の数なので、底 cc の対数をとれます。

log⁡cax=log⁡cb \log_c a^x=\log_c b

3. 指数を前に出す

対数の性質 log⁡cMk=klog⁡cM\log_c M^k=k\log_c M を使うと

xlog⁡ca=log⁡cb x\log_c a=\log_c b

4. log⁡ca\log_c a で割る

a≠1a\neq 1 なので log⁡ca≠0\log_c a\neq 0 です。両辺を log⁡ca\log_c a で割ると

x=log⁡cblog⁡ca x=\frac{\log_c b}{\log_c a}

x=log⁡abx=\log_a b だったので、底の変換公式が得られました。a≠1a\neq 1 という条件は、手順4で 00 で割らないために必要です 。

グラフで見る

c=2c=2、a=4a=4 とすると、公式は log⁡4x=log⁡2xlog⁡24=log⁡2x2\log_4 x=\dfrac{\log_2 x}{\log_2 4}=\dfrac{\log_2 x}{2} です。つまり、y=log⁡4xy=\log_4 x のグラフは、y=log⁡2xy=\log_2 x のグラフを縦に 12\dfrac{1}{2} 倍に縮めたものになります。

y = log₄ x の高さは、どの x でも y = log₂ x のちょうど半分

底が違う対数どうしは、定数倍の関係にあります。微分で使う自然対数(底 ee)に直すときも、この公式を使います((e^x)’=e^x になる理由)。

使い方の例題

例題

log⁡48\log_4 8 と log⁡9127\log_9 \dfrac{1}{27} の値を求めよ。

真数と底を、同じ数の累乗で書ける底(22 と 33)にそろえます。

log⁡48=log⁡28log⁡24=32log⁡9127=log⁡33−3log⁡332=−32 \begin{aligned} \log_4 8&=\frac{\log_2 8}{\log_2 4}=\frac{3}{2}\\[4pt] \log_9 \frac{1}{27}&=\frac{\log_3 3^{-3}}{\log_3 3^2}=-\frac{3}{2} \end{aligned}

検算:432=(22)32=23=84^{\frac{3}{2}}=(2^2)^{\frac{3}{2}}=2^3=8、9−32=(32)−32=3−3=1279^{-\frac{3}{2}}=(3^2)^{-\frac{3}{2}}=3^{-3}=\dfrac{1}{27} で、どちらも定義に合っています。

底の変換公式の発展的な使い方

公式で b=cb=c とすると、log⁡ab=log⁡bblog⁡ba=1log⁡ba\log_a b=\dfrac{\log_b b}{\log_b a}=\dfrac{1}{\log_b a} です。つまり

1log⁡ab=log⁡ba \frac{1}{\log_a b}=\log_b a

と、逆数をとると底と真数が入れかわります。これを使う問題です。

発展例題

実数 x, yx,\ y が 2x=3y=122^x=3^y=12 を満たすとき、2x+1y\dfrac{2}{x}+\dfrac{1}{y} の値を求めよ。

1. x, yx,\ y を対数で表す

対数の定義から、x=log⁡212x=\log_2 12、y=log⁡312y=\log_3 12 です。

2. 逆数を底の変換公式で書きかえる

1x=1log⁡212=log⁡1221y=1log⁡312=log⁡123 \begin{aligned} \frac{1}{x}&=\frac{1}{\log_2 12}=\log_{12} 2\\[4pt] \frac{1}{y}&=\frac{1}{\log_3 12}=\log_{12} 3 \end{aligned}

3. 底 1212 の対数の計算にする

2x+1y=2log⁡122+log⁡123=log⁡12(22⋅3)=log⁡1212=1 \begin{aligned} \frac{2}{x}+\frac{1}{y}&=2\log_{12}2+\log_{12}3\\[4pt] &=\log_{12}(2^2\cdot 3)=\log_{12}12=1 \end{aligned}

答えは 11 です。

この問題では、底の変換公式を逆向きに使って 1log⁡212\dfrac{1}{\log_2 12} を log⁡122\log_{12}2 に変え、底を 1212 にそろえました 。

検算(別の方法):常用対数の近似値 log⁡102=0.3010\log_{10}2=0.3010、log⁡103=0.4771\log_{10}3=0.4771 を使うと、log⁡1012=2×0.3010+0.4771=1.0791\log_{10}12=2\times0.3010+0.4771=1.0791。x=1.07910.3010=3.585x=\dfrac{1.0791}{0.3010}=3.585、y=1.07910.4771=2.262y=\dfrac{1.0791}{0.4771}=2.262 で、23.585+12.262=0.558+0.442=1.000\dfrac{2}{3.585}+\dfrac{1}{2.262}=0.558+0.442=1.000 となり一致します。

注意

log⁡cblog⁡ca\dfrac{\log_c b}{\log_c a} を log⁡cba\log_c\dfrac{b}{a} や log⁡cb−log⁡ca\log_c b-\log_c a と混同しないようにしましょう。底の変換公式は対数どうしの割り算で、真数の割り算ではありません。

この記事のまとめ

  • x=log⁡abx=\log_a b を ax=ba^x=b に戻し、両辺の底 cc の対数をとると log⁡ab=log⁡cblog⁡ca\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}。
  • a≠1a\neq 1 は、log⁡ca\log_c a で割るために必要な条件。
  • 1log⁡ab=log⁡ba\dfrac{1}{\log_a b}=\log_b a を使うと、2x=3y=122^x=3^y=12 のような式も底をそろえて計算できる。