組合せ nCr の公式の導出:順列を r! で割る理由

数学1A場合の数と確率公式の成立 更新
目次

組合せの公式

異なる nn 個のものから rr 個を選ぶ組合せの総数は

nCr=nPrr!=n(n−1)(n−2)⋯(n−r+1)r(r−1)⋯2⋅1=n!r! (n−r)! {}_n\mathrm{C}_r=\frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!}=\frac{n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1)}{r(r-1)\cdots 2\cdot 1}=\frac{n!}{r!\,(n-r)!}

この記事の要点

  • 順列 nPr{}_n\mathrm{P}_r は「選んで並べる」数。組合せ nCr{}_n\mathrm{C}_r は「選ぶだけ」の数
  • 選んだ rr 個の組1つにつき、並べ方は r!r! 通りずつある。だから nPr=nCr×r!{}_n\mathrm{P}_r={}_n\mathrm{C}_r\times r!
  • nCr=nCn−r{}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r} などの性質も、「何を選ぶか」を言いかえると説明できる

組合せの公式は「nPr{}_n\mathrm{P}_r を r!r! で割る」と覚えている人が多いと思います。では、なぜ r!r! で割るのでしょうか。この記事では、順列と組合せの関係から、その理由を確かめます。

組合せの公式は何を数えているか

4人 A、B、C、D から2人を選ぶことを考えます。

  • 順列:選んだ2人を「委員長・副委員長」のように並べて区別する。AB と BA は別
  • 組合せ:2人を選ぶだけで、並べ方は区別しない。{A, B}\{A,\ B\} は1通り

組合せは「どの2人か」だけを数えます。この数え方の違いが、r!r! で割る理由につながります。

組合せの公式の導出

1. 順列の数を数える

4人から2人を選んで並べる順列は、1人目が4通り、2人目が残りの3通りなので

4P2=4×3=12 {}_4\mathrm{P}_2=4\times 3=12

2. 同じ組をまとめる

12通りの順列を、選んだ2人の組ごとにまとめます。

1つの組に、並べ方が 2! = 2 通りずつ入っている

どの組にも、並べ方がちょうど 2!=22!=2 通りずつ入っています。したがって

4C2=4P22!=122=6 {}_4\mathrm{C}_2=\frac{{}_4\mathrm{P}_2}{2!}=\frac{12}{2}=6

3. 一般の n, rn,\ r で考える

異なる nn 個から rr 個を選ぶ組合せの1つ1つについて、選んだ rr 個を並べる方法は r!r! 通りあります。順列は「組合せを選んでから、その rr 個を並べる」と数えられる ので

nPr=nCr×r! {}_n\mathrm{P}_r={}_n\mathrm{C}_r\times r!

両辺を r!r! で割って

nCr=nPrr! {}_n\mathrm{C}_r=\frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!}

4. 階乗だけの形にする

nPr=n(n−1)⋯(n−r+1){}_n\mathrm{P}_r=n(n-1)\cdots(n-r+1) の分母と分子に (n−r)!(n-r)! を掛けると、分子は n!n! になるので nPr=n!(n−r)!{}_n\mathrm{P}_r=\dfrac{n!}{(n-r)!} です。これを代入して

nCr=n!r! (n−r)! {}_n\mathrm{C}_r=\frac{n!}{r!\,(n-r)!}

公式から分かる2つの性質

nCr=nCn−r{}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r}:nn 個から rr 個を「選ぶ」ことは、残す n−rn-r 個を「選ぶ」ことと1対1に対応します。階乗の形で見ても、rr と n−rn-r を入れかえると同じ式になります。rr が大きいときは 10C8=10C2=45{}_{10}\mathrm{C}_8={}_{10}\mathrm{C}_2=45 のように、小さい方で計算すると楽です。

nCr=n−1Cr−1+n−1Cr{}_n\mathrm{C}_r={}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_r:特定の1人 A に注目して、選び方を「A を含む」と「A を含まない」に分けます。A を含むなら残り r−1r-1 人を n−1n-1 人から、含まないなら rr 人全員を n−1n-1 人から選ぶので、2つの場合の和が全体になります 。

使い方の例題

例題

男子5人、女子4人の中から3人の代表を選ぶ。男子2人、女子1人を選ぶ方法は何通りあるか。

男子5人から2人、女子4人から1人を選び、その組み合わせ方を掛けます。

5C2×4C1=5×42×1×4=10×4=40 \begin{aligned} {}_5\mathrm{C}_2\times{}_4\mathrm{C}_1&=\frac{5\times 4}{2\times 1}\times 4\\[4pt] &=10\times 4=40 \end{aligned}

答えは40通りです。

検算:男女の人数の内訳ごとに数えて、合計が9人から3人を選ぶ総数 9C3=84{}_9\mathrm{C}_3=84 になるかを確かめます。

内訳計算通り
男子3人5C3{}_5\mathrm{C}_310
男子2人・女子1人5C2×4C1{}_5\mathrm{C}_2\times{}_4\mathrm{C}_140
男子1人・女子2人5C1×4C2{}_5\mathrm{C}_1\times{}_4\mathrm{C}_230
女子3人4C3{}_4\mathrm{C}_34

10+40+30+4=8410+40+30+4=84 となり、一致します。

注意

「並べ方を区別するか」を確かめずに nPr{}_n\mathrm{P}_r と nCr{}_n\mathrm{C}_r を選ぶのはよくある間違いです。委員長・副委員長のように役割が違えば順列、ただの代表なら組合せです。

この記事のまとめ

  • 順列は「組合せを選んでから並べる」と数えられるので、nPr=nCr×r!{}_n\mathrm{P}_r={}_n\mathrm{C}_r\times r!。
  • r!r! で割るのは、同じ組の並べ方 r!r! 通りを1通りにまとめるため。
  • nCr=nCn−r{}_n\mathrm{C}_r={}_n\mathrm{C}_{n-r} は「残す方を選ぶ」、nCr=n−1Cr−1+n−1Cr{}_n\mathrm{C}_r={}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_r は「特定の1人を含むか」で説明できる。