回転体の体積の公式 V=π∫y²dx の導出:断面の円を積み重ねる

数学3C積分法とその応用公式の成立 更新
目次

回転体の体積

曲線 y=f(x)y=f(x) と xx 軸、2直線 x=ax=a、x=bx=b(a<ba<b)で囲まれた部分を、xx 軸のまわりに1回転してできる立体の体積は

V=π∫ab{f(x)}2 dx V=\pi\int_a^b\{f(x)\}^2\,dx

この記事の要点

  • 立体の体積は、xx 軸に垂直な断面の面積 S(x)S(x) を積分すると求まる:V=∫abS(x) dxV=\displaystyle\int_a^b S(x)\,dx
  • 回転体の断面は半径 ∣f(x)∣|f(x)| の円なので、S(x)=π{f(x)}2S(x)=\pi\{f(x)\}^2
  • 2曲線の間を回転させるときは、断面はドーナツ形(外側の円−内側の円)になる

回転体の体積は、数学IIIの積分の応用で必ず出てくる公式です。この記事では、断面積を積分すると体積になるという考え方から公式を導きます。

回転体の体積の公式は何を言っているか

曲線を xx 軸のまわりに回すと、xx 軸に垂直に切った断面はどこでも円になります。公式は、断面の円の面積 π{f(x)}2\pi\{f(x)\}^2 を、x=ax=a から bb まで積み重ねたものが体積 であることを表しています。

回転体の体積の公式の導出

1. 薄い板に分ける

立体を、xx 軸に垂直な平面で、厚さ Δx\Delta x の薄い板に切り分けます。位置 xx での断面積を S(x)S(x) とすると、1枚の板の体積はおよそ S(x) ΔxS(x)\,\Delta x です。

位置 x での断面は半径 f(x) の円。厚さ Δx の円板を積み重ねる

2. 足し合わせて積分にする

板の体積を x=ax=a から bb まで足し合わせ、Δx\Delta x を限りなく小さくすると、定積分になります。

V=∫abS(x) dx V=\int_a^b S(x)\,dx

3. 断面積を求める

回転体では、位置 xx の断面は、半径 ∣f(x)∣|f(x)| の円です。

S(x)=π ∣f(x)∣2=π{f(x)}2 S(x)=\pi\,|f(x)|^2=\pi\{f(x)\}^2

4. 代入する

V=π∫ab{f(x)}2 dx V=\pi\int_a^b\{f(x)\}^2\,dx

f(x)f(x) が負の部分があっても、2乗するので半径の2乗として正しく計算できます。

使い方の例題

例題

半径 rr の球の体積を、回転体の体積の公式で求めよ。

半径 rr の球は、半円 y=r2−x2y=\sqrt{r^2-x^2}(−r≦x≦r-r\le x\le r)を xx 軸のまわりに回転した立体です。

V=π∫−rr(r2−x2) dx=2π∫0r(r2−x2) dx=2π[r2x−x33]0r=2π⋅2r33=43πr3 \begin{aligned} V&=\pi\int_{-r}^{r}(r^2-x^2)\,dx\\[4pt] &=2\pi\int_{0}^{r}(r^2-x^2)\,dx\\[4pt] &=2\pi\left[r^2x-\frac{x^3}{3}\right]_0^r=2\pi\cdot\frac{2r^3}{3}=\frac{4}{3}\pi r^3 \end{aligned}

2行目は、r2−x2r^2-x^2 が偶関数(yy 軸について対称)であることを使いました。

検算:中学校で学ぶ球の体積の公式 43πr3\dfrac{4}{3}\pi r^3 と一致します。また、r=1r=1 として断面の円板を1万枚に分けて体積を足し合わせる数値計算でも 4.18879⋯4.18879\cdots となり、43π=4.18879⋯\dfrac{4}{3}\pi=4.18879\cdots と一致します。

回転体の体積の公式の発展的な使い方

2つの曲線で囲まれた部分を回転させると、断面は円ではなく**ドーナツ形(円環)**になります。そのときの式の立て方を考えます。

発展例題

曲線 y=x2y=x^2 と直線 y=xy=x で囲まれた部分を、xx 軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求めよ。

1. 範囲と上下を確かめる

x2=xx^2=x より x=0, 1x=0,\ 1。0≦x≦10\le x\le 1 では x≧x2x\ge x^2 なので、直線が上、放物線が下です。

断面は、外側の半径 x・内側の半径 x² のドーナツ形

2. 断面積を求める

位置 xx の断面は、半径 xx の円から半径 x2x^2 の円を除いたドーナツ形です。

S(x)=πx2−π(x2)2=π(x2−x4) S(x)=\pi x^2-\pi(x^2)^2=\pi(x^2-x^4)

3. 積分する

V=π∫01(x2−x4) dx=π[x33−x55]01=π(13−15)=215π \begin{aligned} V&=\pi\int_0^1(x^2-x^4)\,dx\\[4pt] &=\pi\left[\frac{x^3}{3}-\frac{x^5}{5}\right]_0^1=\pi\left(\frac{1}{3}-\frac{1}{5}\right)=\frac{2}{15}\pi \end{aligned}

この問題では、断面積を「外側の円 − 内側の円」として求め、公式の {f(x)}2\{f(x)\}^2 を x2−(x2)2x^2-(x^2)^2 に置きかえました 。

検算(別の方法):外側の立体(y=xy=x を回した円錐)の体積 π∫01x2 dx=π3\pi\displaystyle\int_0^1x^2\,dx=\dfrac{\pi}{3} から、内側の立体(y=x2y=x^2 を回した立体)の体積 π∫01x4 dx=π5\pi\displaystyle\int_0^1x^4\,dx=\dfrac{\pi}{5} を引いても 215π\dfrac{2}{15}\pi です。円錐の体積は 13×π⋅12×1=π3\dfrac{1}{3}\times\pi\cdot 1^2\times 1=\dfrac{\pi}{3} で、公式とも一致します。

注意

π∫01(x−x2)2 dx\pi\displaystyle\int_0^1(x-x^2)^2\,dx と、差を先に2乗してはいけません。これは π30\dfrac{\pi}{30} になり、正しい答え 215π\dfrac{2}{15}\pi と違います。断面のドーナツ形の面積は「半径の差の2乗」ではなく「半径の2乗の差」です。

この記事のまとめ

  • 体積は断面積の積分 V=∫abS(x) dxV=\displaystyle\int_a^b S(x)\,dx。回転体では S(x)=π{f(x)}2S(x)=\pi\{f(x)\}^2。
  • 半円 y=r2−x2y=\sqrt{r^2-x^2} を回すと、球の体積 43πr3\dfrac{4}{3}\pi r^3 が出てくる。
  • 2曲線の間を回すときは、断面積を「外側の円 − 内側の円」にする。差を先に2乗しない。