コンデンサーにたくわえられるエネルギー
電気容量 C のコンデンサーに電気量 Q がたまり、極板間の電圧が V のとき(Q=CV)、たくわえられるエネルギー(静電エネルギー)は
U=21QV=21CV2=2CQ2この記事の要点
- 充電の途中では、たまった電気量 q に比例して電圧 v=Cq も大きくなる
- 電気量を少しずつ運ぶ仕事 vΔq を足すと、電圧と電気量のグラフの三角形の面積になる
- 三角形なので、QV ではなく 21QV になる
コンデンサーのエネルギーは、物理の電磁気で学ぶ公式です。「電気量×電圧なら QV では?」と思うかもしれませんが、正しくは 21QV です。この記事では、その 21 がどこから来るのかを、仕事を少しずつ足し合わせる方法で導きます。
コンデンサーのエネルギーは何を表しているか
次の図のような回路でスイッチを閉じると、電池が電荷を運んで、コンデンサーの極板に +Q と −Q がたまります。
充電の回路。極板に +Q と −Q がたまるコンデンサーのエネルギーは、電荷を極板に運ぶためにした仕事が、電場のエネルギーとしてたくわえられたもの
です。
コンデンサーのエネルギーの導出
1. 途中の電圧を表す
電気量が 0 から Q までたまる途中で、電気量が q のときを考えます。Q=CV の関係は途中でも成り立つので、そのときの極板間の電圧は
v=Cq2. 小さな電気量を運ぶ仕事
電圧 v の極板間を、さらに小さな電気量 Δq を運ぶのに必要な仕事は、(電気量)×(電圧)で vΔq です。Δq が小さければ、その間の電圧の変化は無視できます。
3. 足し合わせる
横軸に q、縦軸に v をとると、vΔq は細い長方形の面積です。
細い長方形 vΔq を足すと、三角形の面積 ½QV になるq=0 から Q まで足し合わせると、直線 v=Cq の下の三角形の面積になります。底辺 Q、高さ V なので
U=21QV積分で書くと、U=∫0QCqdq=2CQ2 で、同じ値です。
4. ほかの形に書きかえる
Q=CV を代入すると
UU=21⋅CV⋅V=21CV2=21⋅Q⋅CQ=2CQ2電圧が 0 から V まで一定の割合で増えていくので、平均の電圧 2V で運んだのと同じになる
、と考えることもできます。
使い方の例題
例題
電気容量 2.0μF のコンデンサーを、電圧 100V の電池で充電した。たまった電気量と、たくわえられたエネルギーを求めよ。
2.0μF=2.0×10−6F です。
QU=CV=2.0×10−6×100=2.0×10−4 C=21CV2=21×2.0×10−6×1002=1.0×10−2 J検算:U=21QV=21×2.0×10−4×100=1.0×10−2J、U=2CQ2=2×2.0×10−6(2.0×10−4)2=1.0×10−2J で、3つの形すべて一致します。単位も F⋅V2=C⋅V=J で合っています。
コンデンサーのエネルギーの発展的な使い方
電池は電荷 Q を電圧 V で送り出すので、電池がする仕事は QV です。ところが、コンデンサーにたまるのは 21QV だけです。残りはどこへ行ったのかを、エネルギー保存の法則で考えます。
発展例題
例題の回路(電気容量 2.0μF、電池 100V)で、電池とコンデンサーの間に抵抗 R が入っている。はじめコンデンサーに電荷はなかった。スイッチを閉じて十分に時間がたつまでについて、次のものを求めよ。
(1) 電池がした仕事
(2) 抵抗で発生したジュール熱
1. 電池がした仕事
電池は電気量 Q=2.0×10−4C を、電圧 100V で送り出したので
W=QV=2.0×10−4×100=2.0×10−2 J2. エネルギー保存の法則を使う
電池がした仕事は、コンデンサーのエネルギーと、抵抗で発生するジュール熱 J に分かれます。
WJ=U+J=W−U=2.0×10−2−1.0×10−2=1.0×10−2 Jこの問題では、電池の仕事 QV とコンデンサーのエネルギー 21QV の差を、エネルギー保存の法則でジュール熱と考えました
。電池の仕事のちょうど半分が熱になり、この結果は抵抗 R の大きさによりません。
検算(別の方法):充電中の電流は I=RVe−t/(RC) と表されます(物理の発展的な内容)。ジュール熱 ∫0∞RI2dt=RV2⋅2RC=21CV2 を計算すると、R によらず 1.0×10−2J となり一致します。R=1.0kΩ として、時間を細かく区切って RI2Δt を足し合わせる数値計算でも同じ値になります。
注意
電池がする仕事 QV と、コンデンサーのエネルギー 21QV を混同しないようにしましょう。21 が付くのは、充電の途中で電圧が 0 から V まで増えていくからです。
物理の参考書・問題集は テキスト購入(物理) で、レベル別に紹介しています。
この記事のまとめ
- 途中の電圧は v=Cq。小さな電気量を運ぶ仕事 vΔq を足すと、グラフの三角形の面積 21QV。
- Q=CV で書きかえると U=21CV2=2CQ2。
- 電池の仕事は QV で、その半分がコンデンサーに、残りの半分が抵抗のジュール熱になる。