「数学読本」とは?
数学読本シリーズは岩波書店から出版されている”硬派な数学書”です。
そのシリーズは全6巻で構成されていて、各巻の内容は以下の通りです。
- 数学読本1:自然数・整数・有理数や無理数・式の計算
- 数学読本2:図形と計量・三角関数・指数関数・対数関数
- 数学読本3:ベクトル・複素数・数列
- 数学読本4:数列と極限・順列・組み合わせ・確率
- 数学読本5:微積分の初歩
- 数学読本6:行列から線形代数・集合論
という内容です。
この内容から分かる通り、この「数学読本」は高校数学の学び直し用の参考書になっています。
本自体の構成も、定理の証明やその背景に隠れた要素の解説や分野毎の繋がりを意識した作りになっています。 なので、チャート式等の受験用参考書のように、豊富な問題演習や解法テクニックを学ぶための本ではなく、数学そのものをじっくり学ぶための1冊に仕上がっています
今回はそんな数学読本のうち、3巻目にあたる数学読本3を解説しようと思います。
用途を考えてみる
1番は数学を学び直したい大人が読むのに丁度いいと思います。
変なキャラクターや癖のある予備校講師が執筆しているわけでもないので、非常に読みやすいと思います。 また、他の読みやすいポイントとして、必要なことを省略しないで丁寧に書いてくれているところにあると思います
この第3巻の数学読本3に関しては、
ベクトルなら“有向線分”の話から、
複素数なら“実部と虚部”の話から
非常に丁寧にしてくれているので「久しぶりに数学を学ぶ人・数学が専門外の人」が読んでも理解しやすい作りになっています
先程のセクションでは「演習問題用の本ではない」ことを書きましたが、そうは言っても数学書なので多少の演習問題は挟みます。 ただ、各章ごとに多くても10問程度なので徒労感も特になく取り組むことができるでしょう。
数学を学ぶ上で、学んだ定義や定理を問題解決に活かすことは重要なプロセスなので楽しんで問題に挑むと良いでしょう。(これは受験勉強でも全く同じ事が言えます)
受験には使えるのか
さて、ここまで読んでいただいている人なら答えは即答できるでしょう。
もちろん答えはNO!です。
数学的な解説や、コラムの充実度には全く問題なく、むしろクオリティは高いくらいなんです。
ですが、やはり受験は演習量がモノをいう世界でもあります。
そのような点においては、
チャート式やFocusGoldの方がいいのかなぁ・・・?
と感じてしまいます。
ただ、先ほどから何度もお伝えしているように、読者の層はおそらく被っていないと思いますので、あまりこの問題に関しても気にしなくていいのかな?と思います。
なので受験が目的がないのなら「買い」、受験が目的なら「別のもの」を考えましょう!
一緒に読みたい参考書・問題集
数学読本3と一緒に読んだら面白い数学書をいくつか紹介しようと思います。
受験を目指す人
・やはり演習量確保のために”チャートシリーズ“! 問題量も確保できるし、解説も丁寧。
特に青チャートはオススメです。 ・少し数学的な視野を広く持ちたい人は”Focus Gold“! 問題演習に様々な別解が用意されているので一問から多くの事が学べます。
受験は目指さないけど、数学を深めたい人
そんな崇高な思いをお持ちのあなたには、この分野の続きにあたる内容を含む数学読本6や大学の線形代数の教科書などが面白いと思います。
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